Calendar Coffee
- Maehiro Tsubasa
- 2023年2月28日
- 読了時間: 10分

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※今回のロースターについての質問や、紹介したレシピ・コンテンツについて、何か疑問や追加で解説の希望があれば、ぜひこちらにご入力ください。今回の内容に全然関係ないコーヒーの話や、OFFの人の休日(OFF)についてでも、大歓迎です(^^)!!
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Hello!!
今回は、Calendar Coffee (カレンダー コーヒー)。
アイルランド・ゴールウェイを拠点とし、"季節限定ロースター" というニッチなコンセプトで、"旬"のコーヒーのみを焙煎するコーヒー ロースターより Ethiopia (Honey) と Rwanda (Washed) の2種をご紹介します! (定期便の方には、アプリコット感溢れる Ethiopia Washedも)
コーヒーに関わる業界で、15 年以上の経験を持つ Zarah と Danによって経営されるCalendar Coffeeは 「コーヒーチェリーの収穫カレンダーに注目して、品質の高いコーヒーを提供する」という世界でも珍しいコンセプトのロースターです。また社内にサスティナビリティマネージャーという役職を設け、環境への責任に対して、積極的に取り組むことで未来に向けて持続可能なコーヒー会社を構築することを目標にかがげています。
2018年の設立から、成長し続ける新しいコンセプトのロースター Calendar Coffee。まだまだ日本では知られていないロースターですが、生豆のインポーターの方から強いオススメを頂いて、今回紹介することになりました。アイルランドで焙煎された旬のコーヒーを、一緒に楽しみましょう!
Recipe
(※レシピとコーヒー豆に関する情報は、リンクから種類ごとのページにアクセスしてご覧ください)
Roaster

Calendar Coffee
2018年、アイルランドの西海岸にある静かな海辺の町 Galway (ゴールウェイ) を拠点として活動を始めた 「Calendar Coffee」。
オーナーである Danと Zarah の夫婦の出会いは、ロンドンの「Workshop Coffee」でした。 2人は Workshop Coffeeでの経験の中で、最もおいしいコーヒーは、ほとんどの場合 収穫されてすぐの新鮮なものであることを学びました。
生豆の鮮度はコーヒーの品質に大きな影響を与えます。にもかかわらず、収穫時期に関しての情報をお客様と共有したり、お客様から質問されたりすることはほとんどありません。
そのような状況に気づき、驚きを感じた2人は "季節限定ロースター"というアイディアを構想。2年ほどかけて少しずつアイディアが形になり始め、2017年11月に Zarahの故郷である Galwayに移転、翌年2018年に、Calendar Coffeeを設立しました。
生産地でのコーヒーの収穫カレンダーに従って綿密に計画し購入することで、"旬"の風味を味わえる期間のコーヒーのみを焙煎/販売する。Calendar Coffeeのチームは、生産地での収穫や精製の過程、その後の出荷から入荷まで、それぞれの工程に必要な期間を完璧に把握し、一年中 甘くて風味豊かな多様なコーヒーを提供しています。
Zarah Lawless, Daniel Boobier
Zarah Lawless
音楽の業界で、サウンドエンジニアとしてのキャリアを積む。
カフェの賑やかな雰囲気に心を奪われ、コーヒー業界に転身。
Workshop Coffee にてカフェのマネージャーを経験。
その後 Calendar Coffee を設立。
Daniel Boobier
大学課程では、生物学の学位を取得。
バーテンダーとしてキャリアを積む中で、ワインとスピリッツの展示会でスペシャルティコーヒーを味わう。それ以来コーヒーの虜になり、焙煎士のアシスタントとしてコーヒー業界に。
Workshop Coffee にてヘッドロースターとして焙煎を担当する。
その後 Calendar Coffee を設立。

Calendar Coffee のコアは、自らをコーヒーオタクと断言する Zarahと Danの 気づきから始まります。生豆の新鮮さに注目した2人は、収穫カレンダーに従い コーヒー豆の風味がピークに達している期間にのみ焙煎することを決め、 Calendar Coffeeのコンセプトとしました。
ほとんどのコーヒーは収穫されて 6 ~11ヶ月後に風味のピークを迎えます。Calendar Coffeeでは、風味のピークは 3ヶ月程度持続すると考え、コーヒーの生豆を小ロットで頻繁に購入することによって、最大限に風味を感じることのできる 3ヶ月ほどの期間の間だけ焙煎し提供しています。これはつまり、ラインアップのほとんどのコーヒーが 3ヶ月以内に入れ替わるということです。
品質の高いコーヒーの調達と、適切な量のコーヒーを購入することは、たとえ熟練のロースターでもとても難しいことです。コーヒーを多く買いすぎたり、熟成が予想より早く進むことで、風味がピークを迎える期間内に全て提供できないリスクがあるからです。
スイートスポット
ケニアとエチオピアを除いて、ほとんどの原産地のコーヒーは、収穫の12ヶ月後には最高の味がしないと 2人は語ります。全てのコーヒーには異なるスイートスポットがあり、たとえば ルワンダやブルンジはかなり早く熟成が進む傾向にあります。そのため収穫後 比較的早い時期に焙煎することでフレーバーを最大限に味わうことができます。逆にケニアはしっかりと休ませる必要があり、焙煎時期が早すぎると味がきつくてバランスが崩れる傾向があります。またケニアやエチオピアで栽培/精製されたコーヒーは高い安定性を持ち、フレーバーのピークが長く続く傾向にあります。
収穫カレンダー
生産地の収穫期(収穫カレンダー)を紹介。近くのコーヒー屋さんでニュークロップのコーヒーを見つけることができれば、収穫期からの経過期間を計算することで「今、最高に旬の時期のコーヒーなんだな」という少し変わった視点でコーヒーを味わうことができるかもしれません。
収穫期は大きく3つに分けることができます。
1. 北半球の生産地 : (10月~2月頃)
エチオピア、エルサルバドルなどの中米諸国など。
2. 南半球の生産地 : (3月~9月頃)
ルワンダ、ブラジル、エクアドルなど。
3. 赤道直下の生産地 : (年に2回 ※北半球と南半球どちらにも農園を持つため)
コロンビア、タンザニア、ケニアなど。
また一般的に、品質の高い豆は収穫期の後半以降に収穫されることが多いと言われます。この事を、Calendar Coffeeへのインタビューの情報と合わせて整理すると...。
北半球の原産地 : 6月~1月頃にかけて旬
南半球の原産地 : 12月~9月頃にかけて旬
(※旬の時期を収穫から6-11ヶ月後、収穫期を半分に分けた際の後半の時期に収穫された生豆として計算)
このように考えることができそうです。正確には原産国ごとに細かい収穫期が存在し(例えば、ルワンダ: 3~8月・ エチオピア 11~2月など)、且つ原産国ごとに風味のピークを迎える時期も異なるため、あまり有益な指標とはなりませんが 旬の時期が存在することを意識してみるだけで、コーヒーの見え方が少し変わるかもしれません。
サスティナビリティ(持続可能性)
Zarahと Danのユニークなポイントとして、自分たちのビジネスを利益だけを目的とするものではなく、少し違った形で運営することを使命としていることがあります。 彼らは、品質とはコーヒーの味だけではなく、環境や社会への責任についても積極的に向き合う必要があると考えています。
Calendar Coffeeの 環境と社会への取り組み:
・ 1 for the planet のメンバーとして寄付を行う。(1 for the planet: 地球の未来を守るため、売上の1%をエコロジー系の非営利団体の活動支援に寄付する世界的な運動)
・Hometree と協力して森林再生プロジェクトにも取り組む。(Hometree: アイルランドに永続的な原生林を確立/保全することを目的とするプロジェクト)
・再利用可能なバケツでのコーヒー豆販売。この活動により地元のお客様へのコーヒー豆パッケージ消費量を約40%削減。
・社内にサスティナビリティマネージャーの役職担当者を採用。
・ビジネスのあらゆる側面が環境と社会に与える影響を調査、透明性報告書の発行。
Beans (※レシピとコーヒー豆に関する情報は、リンクから種類ごとのページにアクセスしてご覧ください)
Column 焙煎されたコーヒー豆を拡大して見てみると、どんな内部構造になっているか 考えたことはありますか? 今回はコーヒー豆の内部構造について紹介してみようと思います。一度知ると身近な実体験や知識と繋がって、コーヒーの世界がより楽しくなること間違いなしです!
コーヒーの内部構造
焙煎されたコーヒー豆の内部を拡大して見てみると、下の図のような構造になっています。六角形の線になっている部分(赤い線上)に、コーヒーの味わいを形成する様々な成分がくっついていて、六角形の内側は空洞になっています。
また空洞の部分には、焙煎の際に発生したガスが入っています。抽出の際には、蒸らしの工程でこの空洞の中のガスが放出されて、お湯に置き換わることで赤い線にくっついた成分が溶け出して、コーヒーの味わいが抽出される、というイメージです。(Googleなどで「コーヒー豆 ハニカム構造」などと調べると、色々な説明を見ることができます。)

この構造のイメージ化をもう少し簡単にするために、洗剤をしっかりとつけたスポンジを想像してみてください。スポンジ=コーヒー豆, 洗剤=味わいの成分 のイメージです。スポンジに上から水をかけると、スポンジの空洞部分を水が通りぬけて洗剤を洗い流してくれます。コーヒーもざっくりと言えば、このような仕組みで味わいが引き出されています。
では、すごく目の細かい(1つ1つの空洞が小さい)スポンジに水をかけるとどうでしょうか?目の粗いスポンジに比べて、洗い流せる洗剤の量が少なくなるイメージが想像できます。洗剤をより多く洗い流すには、スポンジを刻むことが有効です。空洞の大きさを変えることはできませんが、スポンジを細かく刻むことで、断面がたくさん現れ、表面積が大きくなり、結果 より多く洗剤を洗い流すことができます。こんな部分でもなんとなくコーヒーと似てますね。コーヒー豆の内部構造はスポンジみたいになってるんだな〜...というざっくりとした感覚を共有できると嬉しいです。
もう1つ、下の図を見てみてください。

コーヒー豆のスポンジような構造は、焙煎度合いによって1つ1つの六角形の大きさ(空洞の大きさ)が変化したり、構造自体が脆くなったりします。(※図はイメージのため、本来の変化とは異なります)
手挽きのミルでコーヒーを挽く時に、浅煎りのコーヒーは硬く挽きにくいように感じたり、深煎りのコーヒーはすいすいと挽けたり。そんな経験は、実はコーヒー豆の構造と焙煎による変化が関係していたんですね。そして、ここからもう一歩踏み込んでみると、抽出の際に ドリッパーの中でお湯が溜まったり/早く抜けて行ったりすることも、この構造である程度説明がつきそうです。焙煎度合いによって、空洞が小さければお湯は溜まり、空洞が大きくなればお湯は抜けやすくなる、という解釈ができてくるわけですね。
コーヒー豆の構造の紹介、どうだったでしょうか? コーヒー豆の構造は知っていても、簡単にコーヒーを美味しくできるわけではありません。ですが、普段のコーヒーに対する考え方の基礎になる(Tsubasaの体験談です) 面白い知識です。皆さんの持っている感覚や知識との組み合わせ次第で、例えば 飲み頃の予測や、初めて淹れるコーヒーの挽き目の予測、うまく味わいが引き出せないときの解決策に導いてくれたりと、色々な活用ができます。ぜひ頭のすみっこに置いて、コーヒーを淹れてみてください(^^)。
Design

Calendar Coffee のパッケージデザインにクラフトビールやワインのパッケージに感じるような、なんだかワクワクする印象を感じた方も多いのではないでしょうか?
Calendar Coffee では、全てのコーヒーにオーダーメイドのアートワークを作成し、パッケージデザインでコーヒーの味わいを表現しています。この特徴的なイラストは、Dan の故郷であるウェールズ出身のデザイナー Cadi Lane が担当しています。(Hard Lines Coffee のデザインなども手掛ける)
皆様のOFFが特別なものになりますように!
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2月 Calendar Coffee 楽しんで頂けていますでしょうか??
今回のロースターは、ノルウェーに本社を構えるNordic Approach (世界有数のコーヒー生豆の商社)で働いていた方より、強いオススメを頂いて決定しました。
その方の話によると、生豆を購入する際に、条件をたくさん指定してオーダーしてくるロースターさんがいる。なんだかこだわりが強いなぁと思いながら取引する中で、条件がとても的確で、原産国と商社のスケジュールを完全に把握しているかのようなことに気づく。そんなロースターと取引することはないので、興味が湧いていたところ、そのロースターの焙煎したコーヒーを飲む機会が。とびきりに、格別にうまい。
話の流れでお気づきかと思いますが、そのロースターというのがCalendar Coffeeでした。
話を聞いた時から、いつかはOFFで取り扱いたいと思っていたところ、12-2月あたりのラインアップが面白いという話も聞きつけて、今しかない!!!と、今回紹介するに至ったというわけです。
新鮮なコーヒーのフレッシュさ、みずみずしい甘さをたっぷりと皆さんに楽しんで頂けていると嬉しいです。
OFFでは来月も、とびっきりのロースターを紹介予定です。 これから皆さんに新しい体験や感動、少し特別なOFFをお届けできるよう、頑張ります!!
では、まだまだ寒いのでお身体にお気をつけてお過ごしください〜🤗
Tsubasa
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